前回までは英語面接や英語での電話会議についての記事を書いてきました。
今回はもっとも使われる事が多いであろう、英語を使ったビジネスメールについて紹介したいと思います。
結論から言います。
英語のビジネスメールは、とにかく簡潔に書くことが大切です!
毎日何十通も英語のメールのやり取りをしているしまろんパパが、ビジネスで本当につかえるメールの書き方のコツをお伝えします!
外国人との英文ビジネスメールはとても簡単です。ぜひこの機会にマスターしてみてください。
- 英文メールのメリット
対面や電話よりも瞬時に英語を話す必要がなく、辞書なども使用出来るため少し難易度が下がる。 - 英文メールのデメリット
英語のビジネスメールは日本語の常識とは全く違うため書き方には注意が必要。
英語ビジネスメールと日本語ビジネスメールを比較
まず、一般的な日本語のビジネスメールと英語のビジネスメールを紹介したいと思います。
日本語、英語、どちらも内容はほぼ同じです。
弊社製品の資料と次回の会議日程につきまして
~~~社
~部
~部長
~課長
お世話になっております。
先日はお忙しい中、貴重なお時間有難う御座いました。
会議中に紹介させて頂きました弊社製品につき、資料を送付させて頂きますので、ご査収下さい。
また、~様から頂戴しておりますご質問につきましては、数日中には回答させて頂きますので、少々お時間を頂けますでしょうか。
大変お手数では御座いますが、次回の会議につきまして来週のご都合のよいお時間をご確認頂けましたら幸いです。
今後とも宜しくお願い致します。
どこかで目にした事のある日本語のメールですね。
同じ内容を英語で書くとすると以下のようになります。
Subject: Meeting follow-up
Hi, XXX YYY
Thanks for your time earlier. Please find attached product brochure presented in the meeting. Regarding the quesitons raised, we’ll revert shortly.
Please can you help to confirm a time that would be most suitable for a meeting next week.
Thank you.
内容は一緒にも関わらず、随分違いがあることがわかると思います。
今日は、この違いについて書いて行きたいと思います。
英文ビジネスメールに会社名や相手の役職は必要ない
先方に「Vice President」とか「Director」などの肩書があったとしても、メール本文中に肩書を含める事はありません。
これは同じ社内でも一緒です。
日系にいると、課長や部長にメールを送る時は「~部~部長 お疲れ様です。」などと書くのが一般的ですが、英語の場合はどんなに相手が偉くても「Hi, XXX」で終わりです。
たまに「Dear, XXX(last name)」と書きましょう。と書いている人もいますが、必要ないと思います。
全く話した事も見た事もない相手へのメールには使うかもしれませんが、あまり見た事がありません。
少なくとも2回目からは「Hi, XXX」で十分です。
とにかく短く!読んでもらう為に「見た目が短い」事が大切
もうこれは文化の違いなので我々日本人には理解しがたいですが、英語のメールは丁寧さより簡潔さが大事です。
それが英語圏文化の「正しいメール」なのです。
日本人相手のメールのやり取りでは、丁寧語、尊敬語、謙譲語を使用しメールが長くなりがちです。
英語のメールで、それをそのまま実行したら99%読んでくれません。
何故なら「パッと見が長い」からです。
日本のビジネスでは礼儀やプロセスが大事ですが、海外相手のビジネスではとにかくスピード重視です。
一日何百通も来るメールの中で、イチイチ挨拶の長いメールを読んでる暇はありません。仕事なんてさっさと終わらせて家に帰りたいのです。
海外とのビジネスのメールでは「読んでもらう事」が何より大事。
見た目が長いと、そもそもスルーされるので、とにかく見た目を短くすることを心がけてください。
丁寧にし過ぎると逆にビジネスの進行を阻害する事を覚えておきましょう。
日本語をそのまま英文に翻訳は絶対にしない
まずは例文から紹介します。
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Hello Mr. XXX and Mr. YYY
Thank you very much for giving us your time for the meeting yesterday.
As discussed in the meeting, please let me send you the product brochure that we showed you so please accept it.
Also, it’d be highly appreciated if you could give us some time to answer the questions that you asked us in the meeting. We will try to get back to you in a few days.
Finally, we’re sorry to bother you when you are busy but would you please confirm and tell us the best time for the meeting next week.
Thank you very much,
——————–
日本人が英語のメールを書く時に一番勘違いしやすいのがこれ。
日本語で考えた文をそのまま翻訳して送ってしまう事です。
日本語を直訳した内容では無駄が多いため、外国人相手だと絶対に読んでもらえません。
日本人が書いている英語メールでよく目にするのが、以下の3つのフレーズです。
As we discussed(explained) in the meeting(会議中に話した通り)
→多用する必要はない。つけたかったら as discussedでOK。
It’d be (highly) appreciated if you xxx(~して頂けましたら幸いです)
→何かの本に載ってるのかな?って言うぐらい日本人のメールでよく見ます。
変な表現ではないのですが、これだと長すぎます。
通常のメールでは Could you please XXX? で十分です。
I’m sorry to bother you but can you XXX?(申し訳御座いませんが~して下さい)
→全く必要ありません。 Can you please XXX?で十分です。
「日本語ではよく使う定型文」をそのまま英語に入れると、内容の割に文章が長くなってしまいがちです。
「結局何がいいたいの?」と言う印象を相手に与えてしまえば、次から読んでもらえなくなるかもしれません。
不必要な文章は削除して簡潔に書きましょう。
題(Subject)も完結に書く
日本語だと、「~につきまして」とか「~に関しまして」とタイトルをつけることが多いと思いますが、英文ビジネスメールでは「~について」などはあまり使いません。
「Regarding ~」や「About~」と書きたくなるかもしれませんが、英文ビジネスメールではしまろんパパは少なくとも見た事はありません。
例えば上記例文の「弊社製品資料につきまして」を英文ビジネスメールで書くとすれば「Meeting follow-up」や「product brochure」でいいと思います。
返信をくれない場合の対応
日本語でも、返信をくれない際は、「再送:」などと付けて送る事があると思います。
英語でも、題名に「[IMPT]」や「RESEND」をつけて送る場合があります(主に社内の場合)。
先方がお客さんの場合は、あまり感じが良くないので、電話をして「I sent you emails the other day and just wonder if you had a chance to take a look」(何回かメール送ったのですが、見ていただいてますか?)と伝えるといいと思います。
何度もやり取りしている取引先で、ある程度関係が出来ている場合は、
「Hi, Is there any update on this please? Thanks」(以前送ったメール見てくれた?)
とメールをしてみてもよいでしょう。
「謝罪」に何行も使わない
日本語だと「ご迷惑をお掛けして申し訳御座いません」といった文章が多発します。
でも、これは英語でのビジネスメールではNG。
なぜなら、相手は何に対して謝られているかわからないし、そもそも文章が長くなるので読み飛ばされます。
英文ビジネスメールでは、文頭に Apologies(sorry) about it. (次いきなり本題)もしくは 文尾に Many apologiies(Regardsの代わり)と書くだけでで十分です。
番外編1:どうしても日本語的な文章を挿入したい場合の訳例
それでも日本人的には、枕詞的文言を入れたくなってしまう事もあります。しまろんパパもあります。
そんな時の為に、外国人にも嫌がられない例文を用意してみました。
平素よりお世話になっております
Hope you are well/I hope all is well
お時間を頂戴致しまして
Thanks for your time (Thanks でも全く問題ない)
ご不明点等御座いましたらご連絡頂けましたら~
Any questions (please) let me know
Happy to discuss further if any questions
もちろん「 Please let me know if you have any questions.」でもいいのですが、「Any questions, please let me know」でも全く問題ないです。
ご迷惑をお掛けし、申し訳御座いません
→あまり使う機会がないと思った方がいいです。
それでも使いたい場合は、(Apologies)sorry for that殆どの場合、これで十分です。
sorry the trouble / sorry for the inconvenience も使いますが、感覚的に日本人が好んで多用する気がします。
大変お手数(恐縮)なのですが
→本当にこういう言い方は存在しないと思います。
無理やり何かに訳す(I’m sorry to bother you but..とか)事は出来ても、現場でそれを使う事は皆無です。
そんな無駄な事に1行を使うなら丸ごと削ってしまいましょう。
よろしくお願いします
Regards, Thank you,
番外編2:メールや会話で良く使われる英語
少し議題から外れますが、しまろんパパが外国人とのやり取りの中で「学校で習ってないけど、よく使われるなぁ」と思う英語を上げてみます。
英語は日本語ほど口語と文語が変わらないので、慣れてくればそのまま会話にも使えます。
as to:~について(=about)
これ、すごく使います。
何で学校で教えないのか謎なくらい。
メールでなく、会話でも「~について」は、aboutよりas toの方が多いと思います。
As to the options given, we’d prefer Option 2(その選択肢の中では、オプション2がいい)
We’re in discussion as to the new project (新しいプロジェクトについて話し合っている最中だ)
with(in) regards to / Regarding:~について
If you have any question with regards to the statement, please do reach out. (その話について何か質問があれば、教えて下さい)
as in:~の様に(likeに近い)
これもすごく使うのに、あまり学校では教えてくれない。
Does Android have an equivalent of Apple TV, as in casting the mobile’s screen out to the TV? (Androidには、Apple TVみたいにテレビに画面を移せる機能がある?)
Do we have a rough timeline as in when the product would be released?(その製品が大体いつ頃発売されるかわかっている?)
As such:それに伴って
文頭で利用。
日本語に訳すとすると、(前の文章を受けて)それに伴って、と言う事なので、ぐらいの意味です。
これもよく使われます。
The client informed me that they could successfully get the budget for the new project. As such, we can send them the contract to kick it off!(お客さんが、無事新しいプロジェクトの為の予算が取れたそうだ。なので、すぐに契約書を送りましょう)
I haven’t been in the discussion for a while. As such, I’ve added my colleaguees here to possibly advise.(その会話にしばらく入ってなかった。と言う事で、同僚をここにいれておく(からたぶん何かアドバイスくれると思う)
Onwards:~以降
これも頻繁に出てきます。
Are you available from 12:00pm onwards?(12時以降空いている?)
New employees who joined from 1st Oct onwards will not be eligible for the bonus this year.(10月1日以降に入社した社員は、今年のボーナス対象とならない)
On the back of ~ / Off the back of:~と言う経緯から
これもよく使われます。
Clients are asking for updated price list off the back of price revision (料金改定に伴い、顧客から料金表を求められている)
On the back of them breaching a contract, they had to pay a fine (契約に違反した事により、罰金を払わなくてはいけなくなった)
自分で of(Off) the back of を使う事はなくても、会話の中で相手が使用する事が多いので、覚えておくといいかもしれません。
Looping in ~(人) here:~(人)をメールに含めるね。
Looping in Shimaron here. BTW, I’ll be on leave for 3 weeks so he should be able to assist on it. (しまろんをここに入れるね。ところで3週間休暇入るから後は彼とよろしく)
↑これ、外国人相手だとよくあります。
まとめ:外国人は合理的なメールを好むことを忘れずに!
ともかく、「お客様は神様!」「丁寧に、下手に」と言う概念は、外国人にはあまり必要とされません。
重要なのは「結論ありき」「分かりやすさ」です。
繰り返しますが、海外・英語でのビジネスはスピード重視 。
メール一つ読むのに何分もかけてられません。
向こうもどうせさらっと読んでいるだけなのだから、必要な事だけが詰まった「さらっと読んでも必要な事が分かる内容」を書きましょう。
ただし、結論だけ言う簡潔なメールと、ただ失礼なメールは違います。
結論をしっかり伝えつつ、Could/Would/please などを上手く使って、丁寧なメールを書くように心掛けてみてください。