「外資系って離職率が高いの?」
「すぐにクビを切るって本当?」
上記のように考えて、外資系への転職に躊躇する方もいると思います。
実際、人員整理が離職率の高さの一躍を買ってる事は否定できません。
でも、外資系で働く人は、クビに限らず転職を本当によく繰り返します。
日本人の感覚からすると、転職を繰り返すことは「辛抱がたりない」「本人に何か問題があるんじゃ」というネガティブなイメージがあるかもしれません。
でも、外資系企業では決して『転職=マイナス』ではありません。
それどころか、転職せずに長期間同じ会社で働いていることが、将来的にネガティブになる場合もあります。
日系企業の終身雇用が崩壊している今、外資系企業に限らず、転職は決して他人事ではありません。
今より年収を大幅にアップさせたい方、外資系企業でのキャリアアップを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
外資系では「転職=キャリアアップ」とポジティブに考える
外資で働いている人の多くは「キャリア」を考えて、敢えて外に出ていく(また数年後に出戻る事もある)傾向があります。
キャリアが何を意味するかと言うと、普通は「年収」や「役職」である事が多いでしょう。
- 1,000万円の年収→1,500万円の年収
- 日本の責任者→アジア全体の責任者
上記のように、転職が自分の市場価値を上げていく事=キャリアアップとなり、同一の会社では簡単にできないことも、転職で実現させることができます。
そのため、外資でキャリアを追うと言えば、多くの場合「別会社への転職」を意味しています。
一方、日系企業でキャリアアップと言えば、全てとは言いませんが、社内で成果を上げて積み上げていくことがほとんどだと思います。
少なくとも、日系で大手企業に就職した人は、わざわざキャリアアップのために外に出ることのほうが珍しいのではないでしょうか。
外資系企業の多くは会社都合で全く違う部署へ移動させられることはまずありません。(クビの兆候である場合を除く)
そのため、
となり、転職に対してネガティブなイメージはあまりありません。
年収アップは転職が一番の近道である
実際のところ、転職をする大きな理由は、
「お金が欲しいから」
「偉くなりたいから」
「もっと部下が欲しいから」
といった欲望の塊的な理由がほとんどです。
そのため、ヘッドハンターから、「この会社が~万円出すって言ってるけど、興味ある?受けてみない?」と、電話がかかってくれば、興味本位で面接を受けます。
そして、条件がよければあっさりと転職します。
新しい会社に入っても、最初のうちは年に10%近く給料が上がる事もありますが、長年いると2,3%ぐらいしか上がらなくなっていきます。
10年居て、毎年10%ずつ上がる訳はないですからね。
そうすると、モチベーションが下がっていき、みんな転職を考えるようになります。
しまろんパパの周りも、
「俺は毎日こんなにやってるのに今年は給料3%アップか!やってられるか!俺はキャリア(=金)を求める!」
と査定後に転職を決意する外国人はたくさんいます。
正直、彼の仕事のレベルを考えると妥当では?とこちら側が思うことも多々あります。
でも、この「自己評価の高さ」こそが外資系。結果、離職率も高くなります。
愛社精神より自分がどうしたいかを優先
外資系で働く人の中には愛社精神がある人も当然いるとは思います。
でも、日系の人と比較すると、愛社精神は恐ろしく低い(もしくはない)のが一般的だと思います。
日本人にありがちな「一度入った自分の会社に一生捧げます!会社の為に残業も無償で頑張ります!」といった企業戦士的考えは、外国人からするとかなり理解し難いことです。
当たり前の話ですが、個人は最終的には会社の為に働いている訳ではありません。
家族など、自分が大事なものを守る為に働くのであって、究極的には会社はそれを実現する為の手段でしかありません。
そのため、外資系で働く人の多くは、「給料分しか働かないよ。残業するならお金か休暇をちょうだい。え?残業も休暇も出ないの?それじゃあ会社やめまーす」と、良くも悪くも自分の都合を最優先。
たとえ、辞める時に会社から引き留めがあったとしても、
「え?業務に支障が出ちゃう?いや、そんなの知ったこっちゃないよ」
と、ばっさり切り捨てます。
責任感や愛社精神を感じて居続けた所で、何年後かにクビを切られるのは自分かもしれれない。
そんな所で義理を感じて、無理をして働き続ける理由なんてないんです。
そして、そうやって辞めた所で「あいつは裏切った」とも誰も思いません。
他人は他人、自分は自分なので、「へー」で終わり。
転職した会社で前の会社の同僚と一緒になることもよくあります。
今の会社が、家族も含め自分たちの面倒を一生見てくれる契約をしてる訳ではありません。
自分の事しか考えないのは彼らにとっては当然のこと。
これは、自分の会社を信用してないからでは決してありません。単純に、過度な期待を会社に対してしていないからです。
クビを切られても「仕方ない」。
会社が潰れても「仕方ない」。
雇用契約が結んであるから言われた事はやるが、基本的にはそれ以上の事はしない。
だから、ある日クビを切られても、ショックはショックでも、絶望に陥る事はありません。
万が一クビになったとしても、いつでも転職ができる準備をしておく。
外資系企業で働いている人は、こう考えている人がほとんどです。
転職経験は適応力や経験値を上げる
キャリアアップ(昇進)や年収増は、分かりやすく前向きな転職理由ですが、外資で働く人たちが転職を敢えてするのは、そういう理由ばかりではありません。
外資では転職をするのが当たり前。当然年齢にもよりますが、35~45歳ぐらいの人だと、平均2回以上はしていると思います。
そのため、年齢が上がるにつれて「転職を経験しておかないとまずい」と言う共通認識がでてきます。
なぜなら、いざクビになって、次の会社を受ける時に「転職回数ゼロ」は外資系では非常に響きが悪いから。
若ければ転職経験0が当たり前だったとしても、40歳を超えていたりすると、「転職初めて?適応できるの?」と、採用側にマイナスなイメージを与えてしまうことになりかねません。
もちろん、転職をしなかった事自体が悪いのではありません。
同じ会社でちゃんとした経験やキャリアアップを説明出来れば、それでもいいと思います。
でも、大抵の場合それは難しい。
なぜなら、転職の大変さはみんな分かっているから。
同じ会社で長く働いていた人よりも、全く別環境で、全く別の人間と仕事をしたことがある人のほうが、「適応力」と言う名の技術・経験が高いとみなされます。
転職で求められるのは即戦力です。
ゼロもしくはマイナスからのスタートをしても、1.2か月で挽回して役に立たなければなりません。
即戦力として期待されているから、「1年ください」なんて悠長な事は言ってられないのです。
中途採用をする人は、そこをどうやって乗り越えるかに興味があり、「同じ会社で20年頑張ってきました」と言われても、残念ながら強いアピールにはなりません。
外資系で働いている人にとって、どこの会社で働いても適応できる実力をつけるためにも、ある程度の年齢になったら転職を考えるのは自然の流れなのです。
離職率が高い=悪ではない!リスクヘッジのためにも転職は常に頭にいれておこう
同じ会社で条件も良いまま働き続けられる確証があるなら、転職なんて面倒な事は誰もしません。
でも、今や日系企業でも人員整理は当たり前。「クビ」と言う、「まさか」は決して他人事ではありません。
そして、その「まさか」は、残念ながら「転職初めてだけど何とか頑張れます!」なんて若くて適応力が高い時期には来ないのです。
40代や50代に「今更こんな歳でクビ切られて俺どうしたらいいの・・・」と絶望をしないためにも、たとえ今の会社、環境、給料に満足していても、若いうちからリスクヘッジを考えてキャリアプランニングをすることは大切です。
転職は若い内に経験しておくべきです。
若い内でないと、柔軟さや適応能力が衰えてきて、どんどん難しくなっていくから。
これからはどんどん日系企業も外資化して、人員整理が始まっていきます。
自分や、自分の家族を守るのは会社ではありません。
一つの会社に依存し過ぎず、今の会社がつぶれた、自分の部署が外国の企業へ売られた、などが起こったとしても、「自分」がいるから大丈夫、そう言える状況を作っていく事が大事なのではないでしょうか。