外資系で働く人にとって、自分と相性の良いヘッドハンターを見つけることはとても大切です。
なぜなら、
- 万が一のクビ宣告に備えられる
- キャリアにあった仕事を紹介してくれる
- 年収アップやキャリアアップの手助けをしてくれる
など、離職率も高く不安定な環境だからこそ、専任「キャリアアドバイザー」としてヘッドハンターを重宝するから。
今回は、そんな外資系におけるヘッドハンターの必要性について、詳しく解説していきたいと思います。
外資系への転職活動を一歩リードするための裏技も紹介してるので、外資でのキャリアアップを考えている方は参考にしてみてください。
ヘッドハンターとは
ヘッドハンターと聞くと、
「あなたに興味があるので、〇〇会社の役員になりませんか」
と、突然電話などでスカウトしてくる人を想像するかもしれません。
もちろん、そういったヘッドハンティング行為もあるのかも知れませんが、外資系で働く人がよく利用しているヘッドハンターは少し違います。
外資におけるヘッドハンターとは、すごく簡単に説明すれば、他社とのつながりを作ってくれる存在。
要するに職業斡旋をしてくれる人ですが、外資系では、みんなヘッドハンターと呼んで利用しています。
クビになりそうな(なった)ときは、他社のポジションの空き状況を調べてくれたり、交渉をしてくれたりするので、彼らとの付き合いは非常に重要です。
さらに、一度彼らと信頼関係を築いておけば、「君に合ったポジションが空いたよ」と向こうから連絡をしてくれることもあり、ベストなタイミングで転職をすることも。
今、どこの会社でどのポジションが空いているかを個人で把握するのは不可能だからこそ、外資で働くうえでヘッドハンターは欠かせません。
信頼できるヘッドハンターの見つけ方
外資で生き抜くためには優秀なヘッドハンターを見つけることは必要不可欠。では、信頼できるヘッドハンターは、どのようにして見つければいいのでしょうか。
見知らぬヘッドハンターからのスカウトはNG
人によっては、教えてもいないのに電話がかかってきて、実はヘッドハンターだったなんて経験があるかもしれません。
でも、そういう企業は信用ならないことがほとんど。はっきり言って、おすすめできません!
そもそも、まともに職業斡旋をしているかどうかも怪しく、適当に名前と電話番号を聞き出して、個人情報をどこかに売りつけているだけの場合もあります。
いくら仕事が出来る人でも「何もしていないのに、向こうから勝手にお呼び(ヘッドハント)がかかる」など、よほどの有名人でない限りはあり得ません。
複数の転職エージェントなどにまずは自分を売り込む
信頼できるヘッドハンターを見つけるためには、まずは、自分から職業斡旋企業に連絡して売り込むことから始まります。
しまろんパパの場合、最初に転職した時は、先に会社を辞めた元上司に、彼が懇意にしているヘッドハンターを紹介してもらいました。
しかし、残念ながら、彼はしまろんパパとはいまいち馬が合わなかった(イケイケ/オラオラ系過ぎて引いてしまった)。
そこで、自分で何社か転職エージェントや人材紹介会社を回り、担当者とも数名会いました。
その中で一番馬の合った担当者は、落ち着いて話ができるタイプで、転職後もたまにお昼に行ったり、個人的付き合いもするように。
2回目以降の転職は、彼の携帯に直接電話をして仕事を紹介してもらっています。
ヘッドハンターとの関係は持ちつ持たれつ
反対に、ヘッドハンターが人材を探しているときは、自分に声をかけてくることもあるし、そのポジションに適材と思える知り合いがいれば、こちらから紹介してあげることもあります。
こうやって、ヘッドハンターを利用している多くの人にとって、ヘッドハンターとは「持ちつ持たれつな関係」になっていきます。
さらに、ヘッドハンター自身も転職を繰り返すので、最初は、人材紹介会社A社、B社でも、段々「人」として仲良くなっていくようになります。
ヘッドハンターと仲良くなるとこんなメリットも
転職を何度か繰り返していると「仕事の探し方のコツ」がなんとなくわかってきます。
ヘッドハンターの知り合いが数名いれば、突然クビになった時などにも、全く何していいか分かりません、と言う状況にも陥りづらくなるでしょう。
もちろん、ヘッドハンターが知り合いにいたら全て安心と言う訳では当然ありません。
実際に面接を受けるのは自分であって、ヘッドハンターが何かをしてくれる訳ではないからです。
面接練習や講習などをやってくれるところもありますが、それはあくまでも予行演習的にやるもの。過度な期待をしてはいけないと思います。
でも、経験を積んで、ヘッドハンターに「こいつはすぐに面接通るやつだ!」と思わせれば、どんどん仕事を紹介してくれるようになります。
ヘッドハンターにとって、候補者は「商品」。
売れない商品で在庫を抱えるんだったら、売れると分かっている商品をどんどん宣伝して売り切った方が収益が上がります。
そのため、ヘッドハンターとの友好な関係が、外資の転職においてはかなり重要になってきます。
1・ヘッドハンターが担当者に直接売り込んでくれる
ヘッドハンターが、こちらを売れる商品(=市場価値が高く、すぐ決まる人)と認識してくれれば、紹介先に、
「俺はこいつをよく知ってるんだけど、超いいやつだよ!絶対会ってみた方がいい!」
と電話をしてくれることがあります。
これだけでも、企業にただCVをメールで送るよりも、面接では既に1歩も2歩もリードすることができます。
2・選考前に優先的に候補に入れてくれることもある
ヘッドハンターが採用担当者と仲がいい場合など、実際の選考プロセスが始まる前に、偶然を装ってバーなどで事前に会わせてくれることもあります。
こういう「面接が始まる前に飲む事になった」場合、一次面接や最終面接よりここが大事になります。
次の日が朝早い仕事でもなんでも、ともかく向こうの「俺はすごい」話を聞きだしまくって、「oh really? You’re so great」を3000回ぐらい言って気分をよくさせましょう(面接官が男の場合のみに有効)。
また、日本人よりスポーツに熱狂的な人が多いので、アメリカ人ならアメフトか野球、イギリス人ならサッカー、興味がなくても覚えていきましょう。
100人が100人とは言いませんが、向こうが好きだった場合、相当話が盛り上がります。
ここで話が盛り上がって、2次会も行ったなんて事になると、もうこの時点で面接なんて勝ったも同然。
なぜなら、外資の面接の場合、一回目の面接官(=ほとんどの場合、その人がHiring manager)が権限が一番強いので、そこで「俺がこいつがいい」と言えば、それが通るからです。
外資系の面接の進み方や面接で外国人に好まれるコツについては、『【外資系英語面接パーフェクトガイド】外国人に好まれる受け答えのコツを公開』をご覧ください。
ヘッドハンターと良好な関係を作るためにすべきこと
スカウト型ではない場合、転職エージェンシーや人材紹介会社で面接をする所から始まります。
確認することは、
- 現在の仕事内容と今後のキャリア
- 英語はどの程度か
- どういう職種につきたいのか(マネージメントポジションがいい、など)
- 現在の年収と希望する年収
など。
あなたが転職一回目の場合は、自分(=あなた)は、自分を売り込む側の立場です。
つまり、どちらかと言うと、斡旋会社の立場が上です。絶対に偉そうにしてはいけません。
また、仕事がなくなって急いでいるからといって、「早くしてくれ」「まだ見つからないのか」などと急かすのはもってのほか!
自分と言う商品を実際に色んな所に売り込んでくれるのは彼らです。こっちが売り手の態度で行く事を絶対に忘れてはいけません。
ヘッドハンターとの面接は第一次面接と考えよう
ヘッドハンターの印象が良くない場合、彼らだって信用商売だし、変な人を紹介したくはありません。面接にそもそも行けない事も多くあるでしょう。
当たり前ですが、
- ResumeやCVはちゃんと作る
- 職務経験や希望職種についても明確に答える
- やる気を見せる
など誠意ある対応は絶対必要です。
逆に、どこでもいい、なんでもいい、回答に「わからない」が多い、声が小さい、目を見て話せない、など基礎的な事が出来てないといつまで経っても転職できません。
彼らに与える印象で、仕事を紹介してくれる頻度が全然変わってきます。転職経験が少ないのであれば、しっかりと誠意を見せることでカバーしましょう。
外資系ヘッドハンターとのコミュニケーションに英語は必須である
ちなみに、外資系のヘッドハンターは担当者が全く日本語を話せない事はよくあります。と、言うかその方が多いかも知れません。
外資のヘッドハンターはそもそも日系企業を視野に入れてないので、日本語を話せる必要がないのです。
なので、今後、日系だけを視野にしているならともかく、給料を上げたい!外資も含めてキャリアップしたい!と考えているのであれば、英語力は絶対的に必須です。
ヘッドハンターと日系企業のマッチングは意外と難しい!?
しまろんパパは、とくに外資系にこだわっていた訳ではないので、日系対象の人材紹介会社も数社使いました。
ただ、日系企業ってそもそも外資に比べ、絶対的な募集が少ない様に感じました。希望給与を下げても全然希望する職種に巡り合えない。
その背景には、こんな理由があると思います。
「外部の人間は部外者」とする傾向が強く、なるべく内部で埋め合わせようとする
→余程の理由がないとわざわざ外部に募集をかけない
組織で仕事をしているため、一人が辞めても影響を受け辛い
→外部から緊急で人を雇わないといけない程の影響を受けないので募集が少ない
転職でキャリアを重ねる事が一般的ではないため人が一つの会社に留まりがち
→ 外資ほどアグレッシブに昇給を求めて外部に転職しないので人が固定化しがち
そんな状況で、外部の会社の人間で、今まで自分がやってた仕事とマッチした上に、給料も同じぐらいですなんて、相当ラッキーじゃないと難しいと思います。
しまろんパパの時は、やっと見つかったと電話かかって来ても、
- 年収が今の半分以下になる
- 年収はマッチしても転勤の可能性あり(ロシアなど)
など、なんと言うか両極端でした。
既婚で子供が欲しかったしまろんパパには、正直どちらも範囲外。
なので、日系だけで働いていて、そこで人員整理があった場合はすごく苦労するだろうなと思います。
また、仮に10年、20年同じ会社に居た人が日系に転職した場合、外資のように「揃いも揃って全員よそ者」という環境ではないので、よそ者として居心地が悪い思いをすることもありそうに思えます。
外資から日系への転職は年収ダウンの可能性が高い
自分自身、実際日系に転職した事はありますが、正直給料は半分とまではいいませんが、30%ぐらいは下がりました。
もちろん、クビ切られた後だったから選択肢がなかったっと言うのが一番の理由ですが、日本人なら誰でも知っているであろう企業だったので、今後のキャリアにも役立つと考えていたので日系企業を選びました。
ただし、外資と全てがあまりに違い過ぎて、想像していた以上に苦労することに…(笑)また機会があったらどんな事で苦労したか書いてみたいと思います。
ちなみに、この時も外資のヘッドハンターを使いました。
日系の中でも英語が必要とされる部署だったので、外資のヘッドハンターを会社側も使ったんだと思います。
優秀なヘッドハンターとの出会いは最高のリスクヘッジになる
前回、前々回と、外資にいると良い事もあるけどクビ切られる事もありますよ、しまろんパパも2回ほど経験しました、という話をお伝えしてきました。
当時はリーマンショックなんて物凄いイベントがあって、金融業界だけかと思ったら、結局全ての業種に波及して、世界的な景気後退の原因となりました。
リーマンのような超巨大企業が潰れ、他の会社も撤退はしなくても、企業縮小や、会社同士が合併して資本を何とか保ったり、ともかく全てがマイナスの方向に行きました。
そんな中、「しまろんパパの業界だけは大丈夫」なんて都合よく行くわけもなく、ものの見事に世の中の波に乗ってバッくりいかれた訳です。
しかし、今や友達みたいな関係になっているヘッドハンターの彼に何とか探してもらい、キャリアダウンになることもない企業に入社する事が出来ました。
と言うことで、しまろんパパは過去2回クビを切られてますが、社会人になってからいわゆる「無職」と言うのは経験した事がありません。
前の会社との雇用契約が切れる前に、次の職が決まる感じで上手く滑りこんでいる。 本当に、持つべきものは信頼できるヘッドハンターなのです。
外資系で長く生きていきたいのなら、優秀なヘッドハンターは必要不可欠です。
自分と相性の良いヘッドハンターを見つけたいのなら、まずは複数のエージェントに登録をして、いろいろな人に会ってみることから始めてみてください。あなたのキャリアアップの、大きな手助けになってくれるはずです。
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