今回は、外資系歴20年(日系にもいたよ)の私、しまろんパパが、実際に働いてきて感じた外資系に向いている人や合わない人についてご紹介します。
外資系の魅力や、反対にこれはイマイチと思っている部分も包み隠さず書いているので、これを読めば自分の外資系企業への適性度がわかります。
就活中の学生さんや転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
外資系に合う人・向いている人の4つの特徴
外資系に合うのはどんな人なのでしょうか。
もちろん、企業によってもカラーは違いますが、以下で説明する4つが当てはまれば間違いなく外資系企業では生き残れると思います。
1・合理的・効率的な仕事が好きな人
外国人や外資系企業はとにかく無駄が嫌い。
外国人は多少のリスクがあっても、自動化、効率化を好みます。
手作業で行っているものがあれは、機械にやらせてしまえば他の仕事に時間ができます。
それが一定の成果をあげれば、他の地域にも展開していき新しい業務フローがうまれます。
そして結果として、世界中で社員の労働時間を減れば、人間は人間にしか出来ない作業に集中する事が出来ます。
外資系企業では、こういった業務の効率化を個人である程度は自由に出来る雰囲気なので、使える方法はどんどん採用されていきます。そして、こういう人が昇進しやすくもあります。
この考え方は、基本的には日系企業では許されません。
その「非効率な作業」をやっている別担当者や部署がいたりするので、勝手に改善するとその人達の仕事を奪う事になってしまうからです。
いわゆるベンチャー系なら違うのでしょうが、多くの日系企業では「出来るから・知ってるから」と言って勝手な事をやると、ものすごく嫌われます。
2・年齢に関係なく、昇進・昇給したい人
忙しくてもいいから「俺は偉くなりたい!金持ちになりたい!」と言う意思と、押しの強さがある人は合っていると思います。
日系企業だと「何勝手な事やってんだ」と言う事も、外資系企業なら使える内容であれば採用されます。
効率化だけでなくニーズに合った製品開発、コンサル業務での顧客の業績を上げる為のアイディアなど、当たれば評価が「個人」につくので、若かろうが何だろうが簡単に昇給します。偉くもなります。
外資系企業の評価基準は「自分」が「会社の役に立ったかどうか」なので単純なのです。
3・変化に強い人
日系企業と比べると、外資系企業で圧倒的に多いのが組織変更です。
2部署を統合するぐらいならまだしも、何十個もある部署を混ぜて組織を組み直す事もあります。
これがあると、今まで上司の上司だった人が2段階ぐらい下がって同じポジションになったり、部下が上司になったりするので、上司とは言えあまり部下に厳しくは当たれません。
また、部署統合に伴い今まで関係なかった仕事が増える場合もあるので、組織変更を「キャリアアップ出来る!」と前向きに捉えられる人は合うと思います。
逆に「そんな急に言われても (泣)」みたいになってしまう人は、外資系企業には合いません。
4・自分のキャリアに対して常に「攻め」の気持ちでいる人
「年功序列万歳!リスクは少ない方がいい。会社様、何でも言う事聞くのでクビだけは勘弁して下さい」
と、今の会社にすがるつもりの人は外資では絶対上手く行きません。
常に、自分のキャリアを考え
「今はこの会社に居るけど、良いチャレンジが出来る所があったらいつでも次の会社に行く」
ぐらいの気持ちでキャリアアップやスキルアップが頭にある人は成功しやすいと思います。
外資系に入ると苦労する人の3つの特徴
反対に、こんな人は外資系には合わないだろうなと思うのは、以下の3つが当てはまる人です。
外資系企業で働いても、地獄のように感じると思うので日系企業での就職をおすすめします。
1・本当に「言われた事だけ」をやる人
しまろんパパが日系に初めていって一番驚いた職業文化は、「与えられた仕事をやる」事が重要だった事です。
これは外資系企業ではあり得ません!
外資系企業で「言われた事だけをやった」ら、成績は相当悪いです。
外資の成績は、以下のように評価されます。
4 = 支社内や地域的に大きな好影響を与えた
3 = 自分のチームや部署内でのいい功績を遺した
2 = 「言われた事」はやったね。で、やる気ある?
1 = クビ「言われた事はやった」は来年のクビ候補
言われた事をやるのは当たり前。会社に利益を与える+αがあって初めて外資系企業では評価されるのです。
2・外国文化に慣れていない・異文化に対して柔軟性がない人
日本人同士だと、相手の質問にこちらが回答しても「有難う御座います」が結構な確率で返ってきますが、外国人ですと「Thank you」が返ってくる確率がぐっと落ちます。
丁寧な人は返しますが、質問の答えをもらったら何も返さない=了解、と言う人も多いです。
また、まるで関係ないメールに「俺の同僚のしまろんがこっから担当するから」と突然会話にぶっ込まれ、何の件か本人に確認しようと思ったら長期休暇で連絡不能なんて事もあります。
こういう事を「文化的違いだから仕方ない」と考えられないと、外資系企業ではやっていけないと思います。
3・英語ができなすぎる人
会社にもよりますが、平均的に外資系企業では社内の連絡は英語である事がほとんどです。
あまりにも英語が苦手である、英語アレルギーみたいな人は、ちょっと厳しいと思います。
面接に通ってしまったけど、英語に自信がない!と言う人は短期間でともかく少しでも上達出来る様にした方がいいです。
入社後1,2か月であればまだ猶予期間として仕事もゆっくりやらせる事がほとんどでしょうし、そういう期間を上手く使って英語は上達させておきましょう。
外資系企業の大変なところ
外資系企業で働くことが初めての人が、苦労するであろうポイントをまとめました。
良くも悪くも自己責任
外資は本当に自由です。人から何も言われないので、怠けようと思えばいくらだって怠けられます。
遅刻や早退、病欠などに寛容で、自己責任なので、結果さえだせば文句は言われません。
基本、周りの人も他人を気にしてないので「あの人やる気ないよね」などと陰口をたたかれる事もありません。
何をやろうが自由ですが、結果が出てなければ即刻クビになるので、自分の尻は自分でたたかないといけません。
自分で取りにいかないと仕事がない
日系から外資に来て「仕事来ないなー」なんて思ってる人は、どんどん暇になっていきます。
外資系企業では、何にも手を挙げないと必要最低限の事だけをやる事になります。
仕事が少ない、仕事が降ってこないなら、自分で作り出せばいいんです。
今やってる業務で何か改善は出来ないのか、違う顧客層やマーケットに訴える製品はないのか、自分で色々考えて自分を忙しくしなくてはいけません。
そうしている内に、人からも仕事を依頼される様になり、どんどん勝手に忙しくなります。
変化に柔軟でいなくてはいけない
会社によって違うとは思いますが、多い会社では数年に一度は起こる結構な規模の組織変更(もはや改革って感じ)や人の入れ替わり、上司の変更、業務フローの変更など、色々なものが劇的に変わるので、頭の切り替えが大変です。
急に他部署とくっついて、それに嫌気がさした人がごっそりと辞め、「あ、こんなはずじゃなかった やっぱ元に戻すね」となったり、M&Aがしょっちゅう起こるので、急に知らない人が来てやっと仲良くなったらその人たちがみんな解雇されたり(買収先の会社から必要な知識を吸い取ったら一斉にクビを切るのはよくある事)、本当に過激です。
そういう変化にいちいちうろたえていると、生きていけません。
外資系企業の良いところととは
外資系企業で働くことに慣れてしまうと、日系企業にはなかなか戻れない人がほとんど。その理由はこんなことにあります。
給料がともかく高い
正直、これが一番大きいメリットです!!
もちろん業界にもよりますが、20代で1000万円なんて全く珍しくありません。しまろんパパも20代で超えています。
低くても倍、多い場合は日系企業の3倍、下手すると4、5倍なんて事もあるでしょう。
給料以外でも待遇や就業環境が素晴らしい
外資はオフィスが綺麗で、自席も広くて明るいです。
PCは基本最新のもの、モニターも1人2〜3枚ぐらいあり、効率よく仕事出来る様になっています。
また、社内でソフトドリンクやちょっとしたお菓子ぐらいなら無料で食べ放題の会社もあります。
金曜日やイベント(クリスマスなど)前などに盛大にパーティーをやったりして、エラいお金をかけて盛り上がる会社も多いでしょう。
ともかく気持ちよく仕事が出来る環境が整っています。
ともかく自由!
就業に関して超自由です。
外資は米系、欧系含め数社いましたが、総じてゆるゆるです。
普通に遅れて来たり(帰ったり)、メール一行だけで病欠を取ったり、当然病欠は有給にカウントされませんし、台風が来たりすると上陸してないのにみんな家から仕事しますし、カメハメハ大王みたいなもんです。
言うまでもなく、有給休暇なんて何の文句もなく取れます。
2週間以上とかの場合は上司に言いますが、1日2日であれば(職場・職種にはよるものの)言わない人もいます。
家族へのサポートが厚い
家族を呼んでBBQをやったり、オフィスへ招待してご飯を食べたり、「みんなで楽しもう」的イベントが頻繁に行われます。
また、「妻が」「子供が」などの言葉に敏感で、家族の誰かが体調不良だったりすると「早く帰れ!」と家に追い返されます。
これは子供持ちには非常にありがたいです。
子供が風邪やら謎のウイルスを持ってくると家族が全滅する事もあり、仕事どころじゃないなんて事はしょっちゅうです。
そういう時に有給じゃない休みを取れたり、家で仕事出来たりすると非常に助かります。
強烈に頭の良い人がいて刺激的
日本は教育制度が整っているので「文字が全く読めません」みたいな人が少ない反面、ある意味では平均的で超天才みたいな人もあまり見ません。
これが、外国になると、ひどいやつは本当にひどい。でも、ウルトラ天才みたいな人もいて、学歴もすごいが「発想力や頭の回転がとんでもない」人がいます。
こういう「ただ勉強頑張ってきました」ではなく発想や知識、行動力が突き抜けている人って日本人にはとても少ないタイプで、日系にいると間違いなく会えないタイプの人です。ものすごくいい刺激になります。
外資系企業への就職を希望する人へのアドバイス
「外資」とひとくくりにしても、日系に近い外資もあるでしょうし、外資らしい外資もあるでしょう。
もし外資色が強い外資であれば、ともかく給料は高いし、自由度も高い。
でも、ただ口を空けて仕事が降ってくるのを待っているだけでは、加速度的に暇になり、加速度的にクビが近づく事は覚えておきましょう。
外資系が合う合わないは本当に人によりますが、自分の実力をどんどん試していきたい!ぐらいの精神力がある人は向いていると思いますし、そうでないと結果的にやっていけません。
厳しい所もありますが、仕事さえ頑張っていれば、基本いい事ばかりなので、外資ライフを楽しんでみてください。
また、英語力に自信がない人はとにかく発話量を上げて自信をつけることが大切だとしまろんパパは思います。マンツーマンのコーチング式英会話スクールなどに通って、自己啓発も頑張りましょう。